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オピュームロード

オピューム(opium)、阿片。芥子(ケシ)の実を傷つけ出てくる樹脂を固めたものが、オピュームつまり阿片となる。アルカロイドを主成分とし、麻酔・鎮痛作用があり、習慣性がある。これを精製処理したのがモルヒネで、更に化学的な処理をするとクイーン・オブ・ダウナー、ヘロイン【*1】となる。

芥子の産地としてまず名前が挙がるのが、ゴールデントライアングル(ミャンマー、タイ、ラオスの国境を接する地帯)である。ここが世界最大の芥子栽培の拠点という話もあるが、実際には異なるようである。世界最大の芥子の産地それはアフガニスタンである。以前読んだ本で正確な数値はおぼろげだが、世界の芥子の70%がアフガニスタンで生産されているという。正確な調査をすれば恐らくもっと高い数字になると結んであった。
アフガニスタンではソ連が侵攻した1979年から現在に至るまで内戦が続いている。油もダイヤモンドもレアメタルも産出しないアフガニスタンが20年以上内戦を続けられる資金の源がこのオピュームである。
かってシルクロードと呼ばれヨーロッパへ絹が運ばれた道は、現在では絹に変わりオピュームを運ぶ道になっている。オピュームはアフガニスタンからイランや中央アジアを通り、ヨーロッパへ運ばれヘロインに加工され、全世界に供給される。

イランではしばしば警察や軍隊の大規模な検問に遭遇する。乗客は全員降ろされ、バスはエンジンフードの中から天井まであらゆる場所を調べる。彼らが探しているのがオピュームである。もちろん運び屋も検問は承知の上であり、それほど簡単に見つかる訳はない。しかし警察や軍隊を動員してまで検問をしなければならないほど、アフガンから運びこまれるオピュームの汚染は深刻のようだ。街でも安価でオピュームが手に入る。

最近の報道ではタリバン【*2】が芥子の栽培を禁止し、世界最大の芥子の生産地という汚名を返上すべく、躍起になって芥子畑の摘発を行っているという報道を耳にする。しかしゴールデントライアングルもそうであるように、芥子に変わる作物への転換は難しい。芥子に変わる換金作物がないのがその理由である。

アフガンを旅行中、男達がオピュームを口にするのをよく目にした。東南アジアではオピュームはパイプを使い吸引するが、アフガンの男達は大胆にもそのまま飲み込む。チャイハネ【*3】で休んでいるとアフガンの男達はおもむろに懐からオピュームを入れた容器を取り出し、まるで煙草を勧めるかのように、周りの男にもオピュームを勧める。そして男達は手馴れた様子で一粒取り出し、口に放り込み、陶酔と幻想に満ちた世界へ旅立ってゆく。

オピュームアフガニスタンの南部、カンダハルとヘラートのほぼ中間にギリシク(Girishk)という小さな街がある。とくに何がある訳ではないが、この街に数日滞在した。早朝僕は散歩に出た。街のメインロードで写真を取っていると外国人は珍しく次々と声がかかる。すると1人の男が、ついて来いという。男に連れられメインストリート沿いの店に着くと、男は写真を撮れと傍らにあるビニールに包まれた黒い塊を指差した。直径は40cmほどあり、ちょうど洗面器くらいの大きさである。何かと聞くとオピュームだという。男の話ではこれからイランへ運ぶらしく、この店はこの辺一体の集積地だという。この写真に写っている量だけでも日本での末端価格は数億円にはなるだろう。その量に圧倒され驚く僕に男は更に別の部屋を見せてくれた。その8畳ほどの部屋には、床から天井までオピュームが隙間もなく、積み上げられていたのである。僕は言葉を失った。


その後のアフガニスタン

  • 2002-06-19 カルザイ氏が大統領就任。移行政権が発足
  • 2001-12-22 暫定行政機構発足
  • 2001-12-07 カンダハル陥落
  • 2001-11-13 北部同盟が進攻、首都カブール陥落
  • 2001-10-07 米英軍がタリバンの軍事拠点カンダハル、カブールを空爆
  • 2001-09-09 北部同盟の最高指導者マスード司令官がテロで死亡
  • 2001-03-11 タリバン、バーミヤン石窟大仏を爆破

【*1】ヘロイン
ヘロインとはモルヒネに塩化アセチルを作用させたジアセチルモルヒネをさす。日本でオピュ−ム、モルヒネ、ヘロイン等を所持使用すると麻薬および向精神薬取締法で罰せられます
【*2】タリバン
内戦の続くアフガニスタンで1994年に突如、台頭してきたイスラム原理主義勢力
【*3】チャイハネ
お茶屋さんのこと。この地域ではチャイハネはお茶屋さんであり、食堂であり、簡易宿泊所も兼ねる、男達の社交場である。

Last modified: 2002-12-23

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