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ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る
ペルセポリスII マルジ、故郷に帰る
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カスタマレビュー
短い人生をふいにはできない・・・ ( 2008-05-24 )
こちらは、ヨーロッパはドイツに留学したマルジの体験と
帰郷したあと、恋愛結婚離婚を経て再びヨーロッパに旅立つまでが
書かれています。
随所で彼女に共感したり色んな意味で驚嘆したり失望したり反発したり
時には笑ったりでなかなか面白かったです。また、時には彼女の勇気や
いざとなったら発揮される決断力や行動力には感嘆しましたね。
とにかく、思春期の最中にある彼女の人間としての起伏や成長を
様々な思いとともに見届けたような感覚でした。
もちろん、気になることもあります。他の方も触れているように、
なんだかんだいっても彼女は一般のイラン人の中では恵まれており、
反抗的な姿勢を実力行使した場合の代償が、他の人の場合には
彼女の場合と同じとは限らないこと・・・。
帰郷した彼女に両親が言う、体制だけでなく伝統に押しつぶされる
こともあるのだと。これは、私も誰かの自伝を読んでいて遭遇した
ことがありますね。
マルジを思う両親や祖母の気持ちには随所でずっしりと感動しました。
特に彼女が人生をふいにしないかと心配している場面では。
また、再びヨーロッパに旅立つ最後の別れの場面では、
こちらも落涙してしまいそうでした。
やはり、大切なことがあります。人生は一度しかなくあまりに短い、
だからそんな人生を誰しもふいにはできないということ。
これに改めて気づかされたというか、この本ならではの重みを伴って
心に響いてきただけでも、読んで凄く良かったと思いました。
そういう意味で、色んな人にもっと読まれることを願います。
彼女の視点だけで当時のイランを丸ごと受け止めず、情報の一つとして。 ( 2008-04-12 )
イランでのイスラーム革命から逃れ、外国に移り住んだ後、再びイランに戻ってきた作者の14歳〜25歳が漫画で綴られている
イランでの生活のみを描いたもう一冊の「ペルセポリス1」とは違い、
前半はイスラーム革命ではなく、彼女の外国での外国人の友達との生活や、堕落した日々などが描かれている。
後半は、子供から大人に成長し、また時代も経ったイランの革命後の生活を成長した彼女の視点と立場から描写。
ある日、彼女が革命防衛隊に検挙されないように、何の罪もない男性に罪をなすりつけ、それを笑いながら祖母に報告したのはがっかりする場面だ。
両親から裕福な生活を与えられた少女時代と外国に住んで薬に浸った堕落した思春期時代、色々なことを経験した彼女なのに、そういうことを平気でやるとは・・・という気持ちから。
そういうことや、数年はイランではなく外国に住んでいて当時のイランで生活をしなかった部分を含めると、
これは読みやすいイラン情勢の紹介本だが、彼女自身の視点も大いに加味されているので、それを鵜呑みにしてイランはこんな国なんだ。と思い込まずに、
イランを紹介をする一つの本、又、作家の視点からマルジャンという女性の半生を紹介している本と両方思った方が良いと思う
アイデンティティー ( 2008-03-13 )
イランはアラブの中の国の1つだと思っていたくらい無知だったので、その歴史や文化、文化革命、イランイラク戦争、さらには湾岸戦争のイラン人の見方まで、すごくよくわかりました。その一方で一人の少女が成長する話として、すごく共感しました。国を離れている間に感じた、どこにも所属できない孤独観、それから戦争から離れていたことによる罪悪感、当たり前すぎて気づかないジェンダー観…。なんだか境遇を越えて共通して感じる部分があり、不思議でした。
若者が成長の道程で皆味わう焦燥感がひしひしと伝わってくる ( 2007-03-19 )
前著「ペルセポリス」の最後で家族と別れ一人ウィーンへ渡ったイラン人少女マルジ。続編となる本作では、彼女はひと波乱もふた波乱も経験して大人への道のりを辿っていきます。
マルジは裕福で開明的な家庭に育ったとはいえ、東方のイスラーム社会からやってきた人間です。彼女の目に映る西洋社会は、親への尊敬の念に欠けた子供たちが麻薬とSEXにふける頽廃的な世界です。そこで彼女自身も薬におぼれ、あまつさえヤクの売人にまで成り果てます。
結果、疲弊しきった体を引きずって故国へと帰るのですが、そこでも彼女は反動的な宗教世界で閉塞感を募らせるばかり。削りすぎた鉛筆のように、何かの拍子に簡単にポキリと折れてしまうまで、自分の周囲に苛立ちをぶちまけ続けます。
ヨーロッパにもイランにも自分の確たる居場所を定めることができないというアイデンティティ・クライシス。そして世の中の清濁を併せ呑むには経験と知恵が決定的に足りないという年齢的ハンディ。この二つのせいでマルジの日々は大変痛々しいものになります。
確かにマルジの生きる世界は日本の読者の想像を超えた特異なものでしょう。しかし、若者が社会にイライラを募らせ、時に度を越した抵抗を試みるのは、洋の東西を問わないこと。そのことに立ちかえれば、この物語はどんな国の若者の心にも等しく訴えるものがあるはずです。前著がイランの抑圧政治に対する批判の書という性格が強かった一方で、本書は一人の人間の不器用だけれども確かな成長の記録として読めるのです。
無論、既に40代になってしまった私は、若者特有の稚拙さが裏にある彼女の焦燥感に必ずしも共感を覚えるものではありません。むしろ彼女を教え諭す祖母の言葉にこそ心が添います。
ですからその祖母にゆっくりとですが学んで成長していくマルジの姿には、心落ち着くものを感じることができた。そのことだけは確かです。
より個人的な物語 ( 2006-09-27 )
1巻に比べると、マルジ個人としての思いや悩みにフォーカスされているのがこの2巻。
彼女の異国(オーストリア)での生活と、西欧的価値観を持ったまま祖国イランで過ごす生活での葛藤が描かれる。
十分に面白いのだが、彼女はやはり「上流階級の人」である。
イラン庶民との乖離は非常に大きいものに感じられるし、イマイチ共感できにくい箇所が多いのも事実。
ただ、イランで女性がどのように体制に歯向かいながら生きているのか、というリアルな状況が垣間見られたのは興味深かった。
どうしても第1巻と比べてしまうから星4つで。
単独で見れば、十分5つ星の内容。
ISBN-10: 4901784668
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Last modified: 2008-12-02

